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topBook ≫ 未来をつくった人々 更新: 2015.09.10 (1107d)

未来をつくった人々

データ

項目データ
著者Michael Hiltzik(マイケル・ヒルツィック)
翻訳鴨澤 眞夫、エ・ビスコム・テック・ラボ
ページ575ページ
サイズ(cm)21 x 15
出版社毎日コミュニケーションズ
ISBN4839902259
発売2001/09

感想

by umz http://www.club6100.net/image/member/umz_s.gif

この本は、技評のSoftware Design誌(2005年5月号)に書いた書評記事でもとりあげた。 SD記事の方では250文字という制限があって、

GUI(マウスとアイコン)、レーザプリンタ、イーサネット(LAN)、ポストスクリプト(DTP)…。 これら、現代のコンピュータに欠かせない数々の技術を開発・ 実用化したのが、 XEROXのパロアルト 研究所(PARC)である。本書は、そのPARCでの人間模様とコンピュータ開発の物語である。 26章ある厚い本だが、特に面白くなるのはアラン・ケイが登場する6章以降である。もちろん、 ケイの有名なセリフ「 未来を予測する最良の方法は、未来を発明してしまうことだ」も楽しめる。

と書いておいた。 ここでは文字数に制限がないので、もっと詳しく書こう。

この本を知ったのは、「あなコン」の読者の一人にメールで教えていただいたのがきっかけである。

その昔、コンピュータはあまりに高価だった。

デジタル技術はあまりに高価で、そのコストをたくさんのユーザーに分散させる必要があるからである。 こうしたことは、航空会社が飛行機と燃料のコストを、ボーイング747で一度に三百人の客を運ぶことでカバーするのと同じ論拠に基づいていた。

〜本書P24より引用〜

そう。コンピュータは高価で稀少で、大勢が寄ってたかってチマチマと「使わせていただく」ものだった。 そのような時代、XEROXのパロアルト研究所(PARC)で作られたアルトは「一人で一台」、今ではごく当たり前の使い方を目指した、新しいコンピュータだった。 それが証拠に、

「アルトがすごいのは、夜中に速くならないところだ」

〜本書P250より引用〜

というエンジニアがいたそうである(コンピュータを多人数で使っていると、人が減る夜中に処理が軽くなるのがふつうだったからである)。

そこから続く輝かしいPARCの黄金期には、

など、現在のコンピュータ環境に欠かせない各種技術(またはその種)が生み出された。

しかし、当時のXEROXは「青焼き」とも呼ばれたコピー機で莫大な収入を得ており、 上層部にコンピュータ開発についての執着心はあまりなかった。 やがて、大企業にありがちな官僚的思考が支配するようになり、 上記4つの技術はどれも、花開いたのは後で別の会社が実用化したときであった。 実際、GUIはAppleのLisaやMacintoshによって世に広められ、 ポストスクリプトやDTPはAdobeによって一般化された。

Appleのスティーブ・ジョブズですら

ゼロックスは今日のコンピュータ産業を丸ごと手に入れられた。会社の規模は、そう、十倍にもなっただろう。

〜本書P530より引用〜

というくらいなのだ。 PARCが膨大なビジネスの種を生み出したのに、XEROX本社がそれを生かせなかったのは、 20世紀の大失敗の一つとまで言われている。

まあ、翻訳そのものは、一部に次の例のように明らかな直訳調が読みづらい部分もある。

これには、ロチェスターにいまだ陣取るコピー機官僚主義の精神的支配を新しい研究施設が被る可能性のある、ウェブスターが入っていた。

〜本書P78より引用〜

それはともかくとして、現在これほど広まったコンピュータとは、いったいどこでどのような生み出され方をしたのか、 知っておくには不可欠の貴重な一冊である。 XEROX社内の政治抗争っぽい話も入っているのでちょっと厚い本になっているが、 パーソナルコンピュータ誕生についての興味はかなり満たされること請け合いである。

目次

  1. 座長
  2. マカラウの愚行
  3. ポータードライブの家
  4. ユートピア
  5. バークレーのセカンドシステム
  6. 当たり前の人間じゃないんです
  7. クローン
  8. 発明された未来
  9. 亡命者
  10. ディーラーをやっつけろ
  11. スペースウォー
  12. サッカーの賭け
  13. ボブジーの双子、ネットワークを作る
  14. What You See Is What You Get
  15. 過激派として
  16. のけもの
  17. ビッグマシン
  18. フューチャーズ・デイ
  19. フューチャー+1
  20. イーサネットを喰うワーム
  21. シリコン革命
  22. ビガリズムの転機
  23. スティーブ・ジョブズ、舞台に出たりて曰く
  24. 超新星
  25. 不意打ち
  26. 座長退場

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