ハードディスクの交換
Macintosh本体の蓋を開けて内部を触ることで、Appleの保証を失うことになります。
各自、ページの内容及び、注意をよく理解した上で、自己責任で実行して下さい。
ハードディスク交換で、速く、広く、静かに。
中級者向けプロセス「ハードディスク交換」の巻 †
- 何のため?
メモリ増設と同様、ハードディスク増強も6100の基礎体力向上のために有効です。
起動時間の短縮やアプリケーションの動作の高速化の他に、動作音の低減(ドライブの選択にもよりますが)、もちろん、記憶容量の増大もあります。
標準の350MB程度を載せている方には、ぜひ交換をお勧めします。
メモリ増設で取り出したメモリは余ってしまい、眠らすか別のマシンでしか利用できませんが、 ハードディスクドライブの場合はドライブ用ケースを購入すれば(下記を参照)、 外付けドライブとして以前と同様に同じ6100に接続して使えます(SCSI IDは必ず変更すること)。
- 使えるハードディスクの種類
6100に内蔵可能なのは、Narrow SCSIの3.5インチハーフハイトのドライブ(いわゆる通常の3.5インチドライブ)です。
ドライブとしてはNarrowであればNormal SCSI(SCSI-1)、 Fast SCSI(SCSI-2)、Ultra SCSI(SCSI-3)のドライブが使用できますが、 本体側が対応しているのはNormal SCSI(5MB/sec)ですので、 高価なUltra SCSIのドライブを使用しても恩恵はありません(上位互換ですから動作はしますが)。
この転送速度の低さが今となっては6100のネックとなっています。
なお、現在売られているのはほとんどFastかUltra SCSIです。
基本的にMac用、PC互換機用のSCSIドライブには区別はありません。
フォーマットすれば問題なく利用できます。
また、Wideなドライブはそのままでは使用できません。変換コネクタが必要です。
とりあえず6100で変換コネクタを通して使うけど、 そのうち別のマシンに載せ換えるというのであれば、 Ultra Wide SCSIの速いディスクを買って使うというのもよいでしょう。
さらには、PC互換機のIDE、ATAなどの規格のディスクは6100には接続できません (一部のPerforma、G3マシンには接続できます)。
安いからといって間違って購入しないようにしましょう。
- ドライブの選択
財布の中身と、欲しい容量とを考えて選択しましょう。
店によって値段がかなり違いますから、よくチェックしましょう。
PC互換機のパーツ屋などが安いようです(この場合、Macでの動作は通常は保証対象外です)。
MacOS8.1以降のHFS+によって大容量のディスクもより効率よく扱えるようになったので、 思い切って大きいディスクを購入するのも手かもしれません。
メーカー別では、IBM製について悪い噂を聞きません。
値段も手頃でスピードもそこそこ、何より静かで低消費電力なのが好まれているようです。
Quantum FireBall系はカリカリと音が大きいようです。
- 消費電力について
Ultra Wideなどの高速回転ディスクでは消費電力の大きいものがありますが、 そのようなドライブを内蔵させても6100では性能が活かせませんし、 静かでそこそこ速いドライブを載せるほうがいいと思われます。
標準で内蔵されているドライブに表記されている消費電力より極端に大きな電力を消費するドライブを搭載するのは危険なのでやめたほうがよいでしょう。
- 実際の交換作業
下を御覧下さい。
- SCSI IDの設定
Narrow SCSIでは0〜7までのSCSI IDが使用できますが、 ID 7は6100本体のため、使用できるのは0〜6までの7つです。
SCSI機器ごとに別々のIDを割り当てる必要があります。
同一IDの機器が複数ある場合は起動できない、認識できないなどのトラブルが発生します。
6100の標準状態では、内蔵CD-ROMドライブにはID 3が、 内蔵ハードディスクにはID 0が割り当てられています。
IDの設定方法についてですが、たいていはDIPスイッチかジャンパーピンで指定します。
普通はIDなどの設定のための説明書がついているか、ドライブ表面に記載されている事が多いです。
もしわからない場合は以下のページを参考にしてみてください。
- SCSIの接続、ターミネータの設定について
SCSIは通常、デイジーチェーンと呼ばれるように数珠つなぎで接続されます。
さらに、チェーンの両端にはターミネータと呼ばれる終端抵抗を装着し、 信号が両端で反射してノイズになることを防ぎます。
6100の標準状態では
[6100ロジックボード] − [CD-ROMドライブ] − [ハードディスク]
と接続されているので、ハードディスクのターミネータがオンになっています。
また、6100のロジックボードが終端となる時は自動的にターミネートされます。
もし外部にSCSI機器を接続した時は、その末端に適切なターミネータを装着して下さい。
- フォーマッタ、ドライバ
アップル純正品のドライブにはApple ROMが搭載されており、 古いバージョンの「ドライブ設定」はこのROMがないドライブはフォーマットできませんでした。
従って、アップル純正以外のハードディスクをフォーマットするにはサードパーティのフォーマッタが必要でした。
ですが、最近(MacOS8.0以降)は純正フォーマッタの「ドライブ設定」でもかなりのメーカーのドライブを標準でサポートしています。
HFS+に対応したサードパーティ製フォーマッタはまだ少ないですから、 当分は「ドライブ設定」の出番が多いでしょう。
サードパーティ製のフォーマッタとしては、 HDT、B's Crew、Anubis、APS power tools、Silverliningあたりが有名でしょうか。
なお、一度サードパーティのドライブでフォーマットすると、それ以降は純正フォーマッタで扱うことはできなくなります。 また、複数のSCSI機器を使用するときはSCSIドライバを統一した方が安定すると言われます。
- バックアップ
残念ながら、ハードディスクは消耗品です。
6100を構成している部品の中で、おそらくもっとも早く故障する部分です。
一般的なハードディスクの寿命は(電源を入れている時間によりますが)3年〜5年ほどと言いますから、数年経ったドライブは定期的にバックアップをしっかり取って使用しましょう。この意味からも、中古で購入したハードディスクは一時的な作業用として利用し、メインのディスクとして利用しないほうがいいでしょう。
<実際の交換作業> †
まずは、安全のために内蔵ディスクのバックアップを取りましょう。
交換作業自体で内部のデータを失うことは(通常は)ありませんが、
万が一、ドライブを落下させたり、接続を間違えたりして壊す可能性がないとも言い切れません。
一番大事なフォルダだけでも必ずバックアップしておきましょう。
- 6100の蓋を開けます。ハードディスクは左手前です。
- AVカードなどが刺さっているマシンでは、作業の邪魔なので抜いておきます。
- ドライブ前面の電磁波遮断用の金属片を取り外します。矢印の部分を上に持ち上げてから、前に外します。
- ドライブの後ろにあるSCSIのフラットケーブル、電源ケーブルをはずします。
水平方向に慎重に引き抜いて下さい。
両者ともケーブルの向きを間違えて差し込めない構造になっているので、 向きを覚えておく必要はありません。
- ケーブルをはずしたら、
ドライブ前面下中央の矢印のプラスチック部分を下に押し下げながらゆっくりとハードディスク全体を前に引き抜きます。
- ドライブの下側についているプラスチックのマウンターのネジ(4箇所)を取り外します。
この時、向きと位置をよく覚えておきましょう。また、ネジをなくさないように注意しましょう。
ロジックボード上にネジを落したまま6100を起動すると、最悪の場合ショートして本体を破壊します。
- マウンターを新しいディスクに取り付けます。向きを間違えないようにしましょう。
矢印の指している方がハードディスクのコネクタ側になります。
- 新しいディスクのSCSI ID、ターミネータがちゃんと設定されているのを確認したら、
6100本体に前から差し込みます。固定されたらSCSIフラットケーブル、電源コードを接続します。
AVカードを外していた人はもとに戻します。再び蓋をして完了です。
<余ったディスクは外付けに> †
さて、取り出したディスクを眠らせておくのはもったいないので、
外付け用ケースを買ってきてその中へ入れて再利用します。
新しく内蔵したディスクにデータを移動させるのにも、
新旧両方のドライブが接続されていれば単にコピーするだけなので簡単です。
万が一に備えて起動可能な別ディスクを備えているのは最強化への基本です。
さらに、外付けですから必要なときだけ電源を入れればすみます。
※注意
ご存知だとは思いますが、SCSI機器は電源ONのまま抜き差しをするとかなりの確率でドライブを破壊します。絶対にやらないようにしましょう。
ケースはだいたい6000円〜12000円程度です。ケーブルも忘れずに用意しましょう。
コネクタの形状には何種類かありますから、使用するケーブルに適合したケースを選びましょう。
組み立て自体は簡単で、
ケースの中の電源、SCSIフラットケーブルを接続し、ドライブを固定すれば完了です。
ケースの種類によっては、SCSI ID設定用のDIPスイッチに繋ぐケーブルがあったり、
アクセスランプのLEDを繋いだりします。
詳しくは、ケースの説明書を参考にして下さい。
SCSI IDは内蔵ディスクを取り出したままだと0になっていて、
新たに増設したディスクの設定によってはぶつかる可能性もありますから、
必ず空いているIDに変更することを忘れないで下さい。
さらに、末端の場合はターミネータも忘れずに。