AVカード,HPVカード(VC)
Macintosh本体の蓋を開けて内部を触ることで、Appleの保証を失うことになります。
各自、ページの内容及び、注意をよく理解した上で、自己責任で実行して下さい。
内蔵ビデオの画面の狭さと色の少なさに物足りない時は、純正のビデオカードを載せましょう。
中級者向けプロセス「AV,VCで広々快適なのさ!」の巻 †
- 何のため?
表示画面の大型化、多色化のためです。
一度、広い画面に慣れてしまったら、よほどの理由がなければ、もう狭い画面には戻れません。
ワープロや表計算、パレットの多いソフトなど、情報量の多いアプリケーションを利用する際の作業効率も大幅にアップします。また、表示色が256色と32000色の間が、写真のような画像を満足に見られるかどうかの一般的な境目でもあります。
- 使えるビデオカードの種類
6100は高密度ディスプレイポートを利用する内蔵ビデオの他に、各種のビデオカードによる画面も利用できます。NuBUSに取り付けるタイプのサードパーティ製のカードもありますが、描画速度や解像度(画面サイズ)、色数に不満があるものが多く、また6100に取り付けるためのNuBUSアダプタカードが現在入手困難なため、あまり有効な解決手段となり得ません。
ですが、6100の601 PDS(Processor Direct Slot)に取り付けるタイプのApple純正のカードは速度的にも色数や解像度の面でも満足できるレベルですし、何より中古市場に多く出回っているので手には入りやすいですから、これが6100における事実上のゴールでしょう。内蔵ビデオと純正カードの解像度は以下のようになっています。
内蔵ビデオ | AVカード | VC of 8100 | |
VRAM容量 | DRAM | 2M固定 | 2M,4M |
512 x 384 | 32000 | 1677万 | 1677万 |
640 x 480 | 32000 | 1677万 | 1677万 |
800 x 600 | - | 1677万 | 1677万 |
832 x 624 | 256 | 1677万 | 1677万 |
1024 x 768 | - | 32000 | 32000,1677万 |
1152 x 870 | - | 32000 | 32000,1677万 |
- ベンチマークによる性能評価
会員のPeter氏測定によるベンチマーク結果です。
グラフィック以外も含めたベンチの結果は上のグラフをクリックして見て下さい。
同クロックだと、AVカードに比べてVCは30%程度高速なようですね(解像度や色数にも依存しますが)。
なお、ベンチ測定時の環境は、6100/80AV,6100/80VCの両マシンとも、メモリ72M / ハードディスク2.1G / 2倍速CD-ROM / L2キャッシュは512KB / MacOS8だそうです。
ここで、解像度以外のそれぞれの表示方式の特徴をまとめると、
●内蔵ビデオ
- 増設なしに、本体のみで使える
- 64bitバスで接続されているので、描画速度はVCに次いで速い
- 高密度ディスプレイポートを利用するので、Apple純正(AVシリーズなど)以外のディスプレイを接続するときはケーブルの他に変換アダプタ(¥5000程度)が別途必要となる
- 解像度、色数とも、今一つ
●AVカード
- 6100のAVモデルに内蔵されているビデオカードのため、絶対数が多く中古市場でも入手が(VCに比べて)容易
- 通常の15ピンのディスプレイコネクタの他に、S-Video端子による画像の入出力が可能(付属の変換コネクタにより、通常のビデオ信号もOK)
- 2MBのVRAMにより、解像度、色数とも必要十分なレベル
- 32bitバス接続のため、描画速度はVC、内蔵ビデオに劣る
●VC(HPV;Hi-Performance Videoとも呼ばれる)
- 8100の非AVモデルに搭載されていたカードだが、PDS接続のために6100でも利用できる
- 8100から取り外す必要があるため、中古市場にはあまり多く出回っていない
- 通常の15ピンディスプレイコネクタが利用可能
- 標準は2MBだが、4MBに増設することにより、最大解像度でもフルカラーが使える
- 64bitバス接続のため、描画が高速である
- サイズが大きいので、6100に内蔵するには多少工夫が必要
いずれの場合でも、最近のPCIマシンで利用可能な1280x1024以上の大きな画面は残念ながら利用できません。
また、非AVモデルの6100に新たにAV,VCを取り付ける場合には、別途PDSアダプタ(PDSを90度変換させるもの)が必要になります。カードを中古店で購入したり、7100や8100の本体から流用する場合は注意して下さい。VCの中古を在庫している(可能性が高い)店としては、秋葉原の湘南通商が唯一のようです。これ以外の店で単体のVCを入手した事のある方はぜひお知らせ下さい。
さらに、混乱しやすいのですが、PDSアダプタとNuBUSアダプタは違います。
- PDSアダプタは、本体の薄い6100のためにPDSの向きを90度変換するためのアダプタ(PDS→PDSへ変換)
- NuBUSアダプタは、6100のPDSにNuBUSカードを接続するための変換アダプタ(PDS→NuBUSへ変換)
両者を間違えて購入したという話も聞きます。くれぐれも注意しましょう。
NewerのMaxPowrG3 for 6100を購入する予定の人は、それがPDSアダプタを兼ねますので、それで済ますという手もあります。
上の写真でわかるように、VCはAVカードに比べて奥行きがあります。
6100に内蔵する場合はちょうどその位置にあるハードディスクと当たってしまうので、ハードディスクを前に少しずらしておく必要があるようです(下記参照)。
Peter氏から、AVカード、VC、Dos Compatible カードを装着したPDSアダプタの三つを並べた写真を送って頂きました。確かに、VCは一番長いですね。Peter氏の実測値によると、AVカードの奥行きが17.8cmなのに対し、VCは19.6cmと、1.8cmほど長くなっています。
VC装着時は、Peter氏のマシンのように、ハードディスク自体を少し前にずらす事(ハードディスクの前の電磁波防止用の金具がちゃんとはまっていません)と、SCSIのフラットケーブルをPDSアダプタの上に出す事が必要になるようです。その際、フラットケーブルは6100の上蓋から圧力を受け易くなるため、モニタなどの重量物はなるべく6100の上に直接置かない方がいいと思われます。
また、増尾氏(現在リンク切れ)からも、VCの長さと幅を示した写真のある6100関連のページを作成中との情報を頂きました。
VC購入を考えている人は氏のページを参考になさるといいでしょう。
Peter氏、増尾氏、VCに関する情報提供に御協力頂いてどうもありがとうございました。
カード増設の手順 †
- AVカードとPDSアダプタ
ビデオカード(この場合はAVカード)とPDSアダプタはこんな感じで合体します。
これを6100のPDSに差し込むわけです。
6100/AVからVCへの変換の際は、一度PDSアダプタごと取り外して、そこからAVカードを抜いてVCに交換し、それを再び6100の本体へ取り付けるという手順になります。
- PDS
PDSは601プロセッサの横、側面に一番近い場所にあります(矢印の部分の長いスロット)。
この部分に、ビデオカードを取り付けたPDSアダプタを上から差し込みます。
ハードディスクのマウンタに干渉するかもしれませんが、ちょっとずらしつつだんだんと差し込みます。
側面にはアダプタを引っかけるツメもあるので、しっかり引っかけましょう。
ちゃんと押し込んだら、背面のネジ2つをちゃんとしめましょう。
- 装着完了
装着完了すると、こんな感じで601の上は完全に覆われてしまいます。
601もビデオカードもかなり熱を出すので、気になる人は冷却ファンをかますといいでしょう。
購入するなら直径4cmのファンが601のヒートシンクにぴったり装着できるのでお薦めです。
- 増設後のチェック
まずはちゃんと起動するか確かめて下さい。
Macは起動時にディスプレイが接続されているかチェックしますから、最初からディスプレイとケーブルで接続しておきましょう。起動音が鳴らなかったり、Sad Macが出たりする場合はハードディスクをアクセスしていないことを確かめて電源をすぐに切り、正しく装着されているか、ケーブルのコネクタ部分が抜けていないか、画面解像度を変更するためのスイッチつきアダプタを使用している場合はちゃんと有効なモードに設定されているかなどをチェックするといいでしょう。確認後はモニタのコンパネから大画面+多色を利用するモードに変更すればOKです。AVモデルの場合はテレビに繋ぐこともできますが、テレビモニタへ信号を出力している間はディスプレイ端子へ信号が出ませんから、うっかり切替えて操作が出来なくてハマった、などということのないよう、ちゃんと用意してから切替えましょう。ちなみに8500のAVカードなどでは、テレビとディスプレイの両方へ同時に画面出力できます。